WBC 日本優勝、おめでとうございます。本当に凄かったし、うれしかった。一昨日のメキシコ戦もそうだけど、絵にかいたようなドラマチックな展開にも、心を震わされた。
最後の最後、しかも、どちらも負けられないという場面で、期待した大谷とトラウトの対戦が実現するというのは、まさに、でき過ぎという位のことだった。
今回の優勝は、これまでとは違って、本当に価値ある、文句なしの優勝だったと思う。一回も負けずに決勝まで来たし、決勝のアメリカもほぼ本気の人選で、そこに真向からの勝負で勝ったのだから。
サッカー好きの私からすれば、うらやましいという思いもあった。
大谷はもちろん好きで、MLBの試合もよく見るが、今回、大谷の気迫の凄さ、成し遂げる意志の強さのようなものを、改めて感じた。日本にとって、大谷というスーパースターの存在の意義は、あまりに大きかったと思う。
サッカーでは、もちろん、日本にこんな存在はいまだ出て来ていないし、この先、そう簡単に出て来るとも思えない。こういう存在が出て来ないと、ワールドカップでも、ベスト4から優勝までは、無理なんだろうと思う。
他の優勝できる強豪国には、メッシとかエムバペとかネイマールなどがちゃんといる。
日本は、栗山監督の存在も大きかったと思うのだが、実は、栗山監督には、30年以上も前に、夢の中で出会っているのだ。当時は、ヤクルトの現役の選手か引退してすぐ位だったと思う。
公園のようなところで、栗山選手が一人でジョギングをしていて、それを私は、あっ栗山選手だと思って、見ていたら、栗山選手が立ち止まって、何かという感じでこっちをうかがってくれたので、「がんばってください」と私は声をかけた。栗山選手は、笑いながら頷いて、特に何も言わずに、また駆けて行った。
それだけなのだが、私は、当時、ちょうど、野球よりサッカーが好きになる頃で、栗山選手は知ってはいたけど、特にファンでも何でもなく、なんで夢に出て来たんだろう、といぶかっていた。
私は、それまで野球が一番好きだったのだが、野球から離れたのは、野球自体が面白くないと思い始めたのもあるし、野球は当時、日本とアメリカの他、数か国しかやってなくて、国際試合というのがなかったのも大きかった。
日米野球というのはたまにやっていたが、アメリカは観光気分で日本に来て、ついでに野球をやっているだけで、それでも日本との試合は相手にならず、そもそも日本は非力過ぎで、球が外野にも飛ばないことが多い、という有様だった。その差は、いろんな面で、歴然としていたのだ。
サッカーの方は、ちょうどカズやラモスが代表となっていて、日本で開催のアジアカップで優勝するなど、世界へ向けての可能性を感じ、悲願のワールドカップ出場も叶うかという状況になっていた。その状況が、私も、一気にサッカーの方に惹かれる、大きなきっかけになっていた。
当時、栗山選手が野球に対して、どういう思いや情熱をもっていたかなどもちろん知らないし、将来日本の監督になることも知る由もないのだが、
日本が優勝したとき、昔夢で栗山監督に出会ったことを思い出し、そのとき「がんばってください」と私が言ったことが、まさにこのとき成就したのではないか、と思えて来て、感慨深かったのだ。
もちろん、夢の中で私が「がんばってください」と言ったときには、そんなことは全然予期もしていなかったが、潜在意識の中では、栗山選手が将来こういうことを成し遂げたいと思っていたことを、どこかで知っていたという可能性はある気がする。
もちろん、私は今でもサッカーの方が好きだけれども、日本代表と野球そのものへのリスペクトは、当時の比ではなくなった。というか、次はサッカーの番だと思いたい。